世界は公正であるべき

フレンドと心理学

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前回までのあらすじ

被害者にも原因があると言うシオンとそれはおかしいと主張するアオイ。
そんな二人にとある問題に答えてもらいました。

カスミ
カスミ

この質問ですね。

あなたならどっち?

あなたはゲーム内でカスミさんからお金(ゴールド)を貰えるとします。
どちらを選びますか?

A.今すぐ1000万ゴールドを貰える。

B.半年後に2000万ゴールドを貰える。

アオイ
アオイ

やっぱお金はすぐに欲しいしAだね!!

シオン
シオン

待てばいいだけなのに・・・Bを選ばない理由がわかりません。

#たれスタ
カスミ
カスミ

やはり意見が分かれましたね・・・
シオンさんとアオイさんはそもそも考え方が異なるのです。
その根幹となる考え方がこちら。

公正世界仮説

カスミ
カスミ

平和で安定で秩序の保たれた世界で生きたいと思う気持ちからくる考え方です。

公正世界仮説

認知バイアスの一種で「世界は公正であり、正しい者は報われ、悪しきものは罰せられる」という考え方です。

がんばれば報われる、悪いことをすれば罰せられるという考え方は社会秩序を守るうえで大いに役にたってきましたが、近年その考え方から引き起こされる問題点も指摘されています。

この「公正世界仮説」において理不尽なことや非情な現実は無いと考えられています。
そのため、たとえ理不尽な被害にあった場合でもその人に原因があったから被害に遭ったと思い込み、さらに自分は正しいことをしていればこのような被害には遭わないと安心感を得る心理に陥ります。

最近で言いますと、新型コロナウィルスが日本に持ち込まれた初期にこの考え方から引き起こされる事象がありました。
感染者数の少ない初期に感染者の報告があると、その感染者を袋叩きにする人達がいました。
「感染予防をしてないからだ!」
「不要不急の外出をするからだ!!」
新型コロナウィルスの流行初期はその未知なる恐怖に人々は怯え、「この病にかかりたくない!感染している人はみんな悪いこと(外出等)をしているからだ!!ちゃんと対策取っている自分はかかるはずない安全だ!!」といった心理から感染者を非難する例が報告されていました。これこそが「公正世界仮説」から引き起こされる現象とも言えます。

カスミ
カスミ

前回の質問は、この公正世界仮説よりの考え方かどうかを確認できる質問だったのです。

カスミ
カスミ

Bの「半年後に2000万ゴールドを貰える」を選んだシオンさんは、世界が公正である前提があるからこそこちらを選んだわけですが・・・世界が公正だと思っていなかったら本当に貰えるかどうかわからない半年なんて待ちませんよね?だったら確実にもらえる1000万ゴールドのほうが良いですよ。

アオイ
アオイ

うんうん!

シオン
シオン

世界は公正であってほしい・・・そう願ってはだめなのでしょうか?

カスミ
カスミ

たしかに世界は公正であってほしい・・・でも、世の中は理不尽だらけです。

シオン
シオン

しくしく・・・

カスミ
カスミ

受け入れるしかないんです、私だって嫌だし怖いですよ。
でもその怖さから逃げるから公正世界仮説の考え方によって被害者に原因があると思い込んでしまうのです。

アオイ
アオイ

シオンさんは詐欺被害に遭うことを怖がっているってこと?

シオン
シオン

?!

カスミ
カスミ

そうです、「自分は詐欺被害に遭いたくない。」
「詐欺被害に遭う人には原因がある。」
「自分は正しく生きているから詐欺被害には遭わないはず、安心だ。」
それが公正世界仮説から引き起こされる心理です。

シオン
シオン

しくしく・・・

アオイ
アオイ

たしかに、被害に遭わないように気を付けることは大事だよね?

カスミ
カスミ

ええ、そう思います。
しかし、今回問題にしているのは、実際に起こってしまったことに対して責めてしまっていることなのです。
次回、それについてお話させてください。

つづく

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参考資料
  • 日本心理学会 心理学ミュージアム
    http://psychmuseum.jp/

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