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では今回は「分人」について詳しく説明したいと思います。

はいっ!

まずはおさらいも兼ねて改めて「分人」についてまとめたいと思います。
「個人」対比する言葉としての「分人」
仮想現実世界の人格と現実世界での人格が異なることがあるがそれは「分人化された人格」であるから。
『人は対人関係ごとに様々な分人をもっている。たったひとつの「本当の自分」は存在しない。対人関係ごとに見せる複数の顔がすべて「本当の自分」である。』
平野敬一郎・著 私とは何か から引用

さらに詳しく踏み込んでみましょう。ついてきてくださいね。
人間は、対人関係ごとにいろんな自分を持っている、そして、それはキャラや仮面でははなく、すべて「本当の自分」だ。
相手次第で、自然と様々な自分になる。
その複数の人格のそれぞれで、本音を語り合い、相手の言動に心を動かされ、考え込んだり、人生を変える決断を下したりしている。つまり、それら複数の人格はすべて「本当の自分」である。
平野敬一郎・著 私とは何か から引用

これって・・・まさか?

お気づきですかね?

えっ??え??


ペルソナ・・・ですよね。

はい、そのとおり、ペルソナとものすごくよく似た概念です。
ペルソナについてはこちらを参照してください。

よく似た・・・ってペルソナではないんですか?

はい、ペルソナとは違います。分人とペルソナの違いをまとめてみました
ペルソナ
元型からくるこうあるべき姿という役割論から作られる人格。
複数あるペルソナすべてが仮面でしかない「本当の自分」はその仮面の下にある。
ペルソナが合わなかったり、逆に合いすぎて外せなくなってしまったとき。心に問題を抱えてしまう恐れがある。
分人
対人関係における相手との相互作用によって生み出される人格。
複数ある分人すべてが「本当の自分」である。
複数の分人の比率や数またその人格はすべて常にアップデートされている、そのため不都合が生じた際にコントロールが可能。

こうみるとペルソナってあまりいいイメージがありませんね。

そうなんです。ペルソナ自体は提唱したユングも少し否定的な考え方をもってました。
それでもこんにちまで心理学を支えてきた概念ではあることは確かです。

ペルソナという考え方のままではだめなの?

ペルソナという概念そのものは今後も生き続けると思います。
分人が注目されてきたのには時代が変わってきたというのが大きいとおもいます。
とくにインターネットが普及したことで人間関係はより多様性を増しました。
インターネットが普及する前までは人のコミュニティーは閉鎖的でありました。
学校や会社等は特定の地域ごとに独特な文化や価値観が継承されてきました。
そのような特定の地域ごとに生まれる独特な文化や価値観に対しては「ペルソナ」をかぶることでことで対応できました。
しかしインターネットが普及したことによって、文化や価値観は世界規模となりそれらは「ペルソナ」をかぶるという理屈だけでは対応しきれなくなってきました。
そこで対人関係ごとにその相互関係によって生まれアップデートしていく「分人」こそが現代社会に合っていると注目を浴びています。
さらに近年のコロナ渦による「オンラインコミュニケーション」が活発化したことによってさらに「分人」の存在感はより大きくなったのではないかと感じます。

ペルソナでは説明しきれない様々な事象が現代社会ではおきています。
そしてそれらを説明するのに一番あっているのが分人という考え方だと思ってます。


ドラクエの例でたとえるとどのようなのがあるのですか?

例えばチームリーダーですね。
ペルソナによる役割論でいえばチームリーダーは「面倒見がいい、頼れる、人柄がいい」などの役割論から来てみなそのようなチームリーダーになるはずです。
しかし実際には「いじられる愛されるリーダー」だったり「頼りないけどみんなに支えられるリーダー」だったりそれはもう多種多様です。
これはネット社会という多種多様な人々があつまることでその相互作用によってそれぞれのチームにあった分人が作り上げられたためと言えます。

わかってきたかも!


また新たな疑問が出てきてしまったのですが・・・分人って何に対して作られるのですか?コミュニティーに対して?それとも個人に対して?

はい、それは分人が作られるプロセスによって対象が変わっていきます。
ステップ1:社会的な分人
不特定多数の人とコミュニケーション可能な、汎用性の高い分人。
日本で暮らせば日本で暮らしやすい分人となり、アメリカで暮らせばアメリカで暮らしやすい分人となる。そしてドラクエ10で遊べばドラクエ10で遊びやすい分人となる。
例として、ドラクエ10で楽しむためには最低限のマナーを守り遊ぶと思いますが、政治的思想を語る人や出会い厨といったドラクエを楽しむのとは違う付き合いをすれば大抵の場合は嫌われます。これはドラクエを楽しむための社会的な分人ができてないからおきるためと言えます。
ステップ2:グループ向けの分人
一般的に人間関係は組織や集団を介して広がっていく。その特定のグループに向けた分人。
学校であれば学校生活を送るための分人、会社であれば会社をうまくまわすための分人、サークルであれば円滑に進めるための分人となる。
ドラクエ10で言えば、チームやルームである。バトルが盛んなルームではあれば戦闘民族の分人、チャットが盛んなチームであればチャットが好きな分人となる。
ステップ3:特定の相手に向けた分人
「社会的な分人」から「グループ向けの分人」を経て最終的に生まれるのが「特定の相手に向けた分人」である。友人や恋人などといった最終段階であるが、すべての人間関係がここまでたどり着くわけではない。相性やタイミング等様々な要因に左右される。
ドラクエ10で言えば中のいいフレンドだったり相方だったりはたまた恋人だったりする。
その相互作用によって良い関係を築きあげることができる。
注意点
最終的にたどり着く分人は特定の相手に向けた分人であることに注意すること。
当然だが相方や恋人同士ではそれぞれの愛し合う分人がありイチャイチャしたりするわけで、それを他人にむけたりはしない。
同じようにこの人とは〇〇してたのに、私とは〇〇しないのは、分人としてこの人は〇〇できる分人であり、私とは〇〇しない分人と分けているからである。
ここを切り分けて考えないと人間関係を悪くしてしまう。
また相互作用によって作られる分人はお互いに同じステップである必要がある。
ある人がグループ向けの分人でいたいのにもう片方が特定の相手に向けた分人にしたいと無理に持っていこうとするとこれもまた人間関係を悪くしてしまう。
例えていうならストーカー等がそうである。

すやすや・・・

アオイさ~ん?

難しい概念だとは思います。ただ、あくまで「仮想現実世界の人格と現実世界での人格は異なる」ことを理解していただくための概念だと思っていただけたら幸いです。
分人という考え方に興味を持たれた方はぜひ書籍等を参照していただけたらと思います。
それでは次回、仮想現実世界と現実世界・・・この2つの人格とどう向き合ってくべきか一緒に考えていきたいと思います。
おしまい
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