ドラテンに潜む依存症の罠【2話】

雑学と心理学

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カスミ
カスミ

では、今回は『依存症』になるメカニズムを説明したいと思います。まずは予備知識として『報酬系』と呼ばれるものについて説明しますね。

報酬系
  • 私たちの脳が快楽を感じる時、脳内では『ドーパミン』と呼ばれる脳内物質が分泌されます。『ドーパミン』は別名『快楽物質』とよばれます。
  • この『ドーパミン』が脳内の神経細胞にある『受容体』に送られたとき快楽が生じます。この一連の脳内回路を『報酬系』と呼びます。
  • この『報酬系』が活性化されたときに人は快楽を感じます。
シオン
シオン

具体的にどんな時にその『報酬系』が活性化されるのですか?

カスミ
カスミ

はい、いまだに解明されていない部分もあるのですが、以下の時に『報酬系』が活性化されると言われています。

報酬系が活性化されるとき
  • 楽しいことをしているとき。
  • 目的を達成したとき。
  • 他人に褒められたとき。
  • 新しい行動を始めようとしたとき。
  • 意欲的な、やる気が出た状態になっているとき。
  • 好奇心がはたらいているとき。
  • 恋愛感情やときめきをかんじているとき。
  • 性行為で興奮しているとき。
  • 美味しいものを食べているとき。
シオン
シオン

これって・・・

カスミ
カスミ

これらは全て生物が生きていくために必要かつ、人が社会で生きていくために必要不可欠なものです。

つまり『報酬系』は人が生きていくうえで重要な脳内回路なのです。これが無くなると、人は無気力になり生きていけなくなります。

カスミ
カスミ

そしてこの『ドーパミン』は、アルコール、ニコチン、薬物といったものを摂取しても分泌されます。これらは『依存物質』と呼びます。

シオン
シオン

そうなると『依存物質』も必要に思えてくるのですが?

カスミ
カスミ

いいえ違います!『依存物質』によってこのような事が起こります。

依存物質によって体におこること
  • 本来人が生きていくために必要なことをして起こる『報酬系』による快楽を強制的かつ過剰に起こすのが『依存物質』です。
  • そして『ドーパミン』が過剰に出されると体が危険を察知し、『受容体』を減らします。そしてその減った『受容体』は『ドーパミン』が消えてもすぐには戻りません。
  • そうなってしまうと『報酬系』が活性しにくくなります。つまり、本来の『報酬系』で得られる快楽を感じにくくなってしまうのです。そして新たに快楽を得るためには『依存物質』を使うしかなくなってしまいます。
  • しかし『受容体』の数が減っているため、同じ快楽を得るためには『依存物質』をさらに増やさなければなりません。
  • そして『依存物質』が増えれば『ドーパミン』が増えてさらに『受容体』が減り・・・ と負の連鎖が起き『依存物質』がどんどん増えていきます。
シオン
シオン

ちょっと怖くなってきました・・・

カスミ
カスミ

これが『依存症』のメカニズムです。長くなってしまったので図にまとめますね。

カスミ
カスミ

図のように悪循環が起こるのが『依存症』の恐ろしい所です。
このように『依存物質』による依存は『物質依存』と呼ばれ、主に健康被害をもたらす危険性があります。

カスミ
カスミ

さて、『ゲーム依存』について話を戻しましょうか。

シオン
シオン

はい。

カスミ
カスミ

ゲーム依存』は行為に対して依存するため『行為依存』と呼ばれています。『行為依存』もまた『物質依存』とは違った危険性が出てきますがメカニズムは同じです。

次回、ゲーム依存の危険性を詳しく説明したいとおもいます。

つづく

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参考資料
  • 脳内麻薬 人間を支配する快楽物質ドーパミンの正体 著者:中野信子 幻冬舎
  • マンガで分かる診療内科 依存症編 著者:ゆうきゆう ソウ 少年画報社
  • マンガで分かる診療内科23 依存症学園編 著者:ゆうきゆう ソウ 少年画報社
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